=  打順  

  Eric が訊いてきた。

  「どうしていつも Kyle (カヨ)が1番バッターなの?」

  そういえば、今まで Kyle を1番にしてきている。

  「それはね、彼はとてもスイングがいいし、ボールを当てるのが上手いからだよ。それに、足も速いし。」

  それ以外にも、もう一つ理由がある。Kyle はチームで一番小柄なのだ。小さいということはストライクゾーンも小さくなるので、フォアボールをもらえやすい。


  Kyle は92年の10月生まれなので、まだ9歳。でも学年は5年生。幼稚園のときに1年スキップして、1年生にあがったからだ。ふつうだと92年生まれは4年生。それだけ Kyle は頭もいいということ。だから、学ぶのも早い。そりゃあスポーツだって頭がいいほうがいいに決まっている。特にいろいろ考えて工夫する子が上達が早い。

  ここでマイナーリーグとメジャーリーグの年齢をもう一度述べておこう。

  マイナーリーグは9歳と10歳。メジャーリーグは11歳と12歳。
  
  これらの年齢は7月31日を境にして分けられる。

  たとえば、今年(2002年)でいえば、91年7月31日より前に生まれた子はメジャーリーグでプレイし、91年8月1日から93年7月31日までの間に生まれた子はマイナーリーグでプレイする。

  息子は92年10月生まれの4年生。同じ学年でも7月31までに生まれた子は、来年はメジャーズでプレイしなければならない。今年は同級生と一緒だけど、来年はほとんどの友達が上のリーグで野球をすることになる。


  さて、Eric はわかったような、わかってないような顔をして、ダッグアウトの中に入っていった。
  
  Eric も Kyle と同じくらい小さい。スイングが良くないので最初は9番打者にしていたけれど、前の試合でフォアボールを3つももらったので今日から2番打者にすることにした。打てなくてもフォアボールを与えてもらえるなら、「よっしゃ!」だもん。

  いつもピッチャーに言ってることは、「フォアボール=1シングルヒット」。だから、歩かせないで打たせなさいって。

  実際のところ、ピッチャーたちはいつも必死でストライクを投げようとしているんだけど。。。

  1,2番の次のクリーンアップ(3番、4番、5番打者のこと)は打つのが上手い子に任せる。そのあとも上手い子から順に番がまわる。

  このリーグの特別措置として、フィールドを守っていなくてもどの子も順番に打者となる。すなわち、みんな順番に打つ番がまわってくるということ。このルールはこの年齢の子達には良いと思う。


  野球の楽しみはやはり打つことだ。

  バッティングの練習は、ティーバッティング、トスバッティング、それにコーチがマウンドから投げるかピッチングマシーンを使う。

  ティーバッティングとは、ゴルフでボールをティーにのせて打つように、野球ボール用のティーを使って打つ。これを使うとボールを打つ瞬間の位置が習得できる。ボールは体のまん前でなく、ステップアウトしたときの足の20センチから30センチも前でボールを捕らえるのだ。ここで打つと強いヒットが打てる。また、ボールの高さを調節できるので、高めの球や低めの球を打つ練習もできる。

  トスバッティングは斜め前方からストライクゾーンにプラスチックボールを投げて打つ練習。タイミングとバットの芯に当てる練習になる。

  打つのはむずかしい。なんたって3回に1度ヒットを打つと、打率は3割3分3厘。これってトッププレーヤーの打率だからね。イチローはやはりすごいなあ。
Grant 君    我がチームの4番バッターだ
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